行政書士試験

行政書士試験では行政法と民法が重要という意味が本当に分かっているか

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自分の受ける試験の科目の点数配分や出題形式を事前に把握している受験生は多いと思います。ただそこからもう一歩突っ込んで、どういう戦略を取るのか具体的に検討しているの受験生は少ないと思います。

行政法と民法ができれば理論上合格できる

ご存知の人が多いと思いますが行政書士試験の点数配分は行政法と民法がかなりの比重を占めます。なんとこの2科目ができれば合格点を超えられます。こんなことは受験生ならば誰もが知っていることかもしれませんが、重要性を理解している人は少ないと思います。

今回の記事はあくまで行政書士試験短期合格を目指す人に向けて書いているので、全科目ほぼ完璧に理解して合格したいトップレベルで余裕を持って合格したいという人にはためにならないと思います。とにかく短期合格したいという人だけ読んでいってください。

そもそもこんな極端な点数配分がなされている試験は珍しいと思います。この点数配分から分かることは受験生はまず行政法と民法の勉強をすれば良いのです。極論を言うならば民法と行政法の問題演習をこなし、正答率をパーフェクトに近づけていけば他の科目は勉強しなくても良いといえます。実際は行政法と民法以外は一切勉強せずに本番を迎える受験生はいないと思いますが、少なくとも他の科目は行政法と民法がある程度できるようになってから取り組むべきです。

合格者の発言を鵜呑みにするのは危険

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ある合格者が行政書士試験は商法や一般教養などの配点比率の低い科目についても捨てずにしっかり勉強した人が合格すると言っていました。僕にはこの発言は半分正解で半分は誤りだと思いました。全科目を満遍なく勉強することは確かに合格率を上げると思います。おそらくその合格者の人は合格基準点を大幅に上回る余裕を持って合格したのだろうと思います。

しかしそのような戦略を取ることのできる人は時間的に余裕のある人、複数回受験生もしくは法律学習経験のある人だと思います。スタート地点が違うためマイナー科目に割ける時間があるのです。確実に合格するために全科目を満遍なく勉強することはとても効果的だと思います。

しかし短期合格を目指す初学者や時間のない社会人にとっては、とにかく少しでも基準点を上回って合格することが目標です。1点でも上回ればそれで良いのです。そのためには費用対効果の高い勉強のみをする必要があります。とにかく時間がない以上は費用対効果の高い勉強(行政法&民法)を最優先するべきです。配点比率の低く、出題予想のしにくい(一般教養)マイナー科目にしっかり時間を確保している余裕なんてありません。

配点比率の高い科目すら定着していないのに、その合格者が言うように他の科目にしっかり勉強時間を割いていたら合格可能性を自分から捨てにいっているようなものです。なので自分が今どの場所に位置し、どのように合格したいのか明確に決まっていない状態で合格者の発言を鵜呑みにし勉強計画を練ることを危険です。

僕のこの記事もあくまで短期合格を目指している人用なので時間があって安全に余裕を持って確実に合格したい人にとっては参考にならないと思います。

短期合格において満遍なく均等に全科目に勉強時間を費やすの誤り

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本来勉強は時間ではなく何をどれだけやったかという中身が重要だと思いますが、勉強時間の方が数値化できイメージしやすいと思うので勉強時間を基準に以下説明していきます。民法と行政法が大事と分かっているにも関わらず均等に全科目に勉強時間を費やすのは明らかに誤りだと思います。

1日の勉強内容を1科目に集中する人もいれば複数科目を細かくグルグルと回して勉強するタイプの人もいると思います。正解がどちらかなどはないので、それぞれの勉強スタイルで進めて良いと思います。

ただ行政と民法の配点比率が高いと知っているにも関わらず、多くの受験生が各科目に均等な勉強時間を割いてしまっています。これはおそらくこれまでの勉強で苦手科目を作らないという教えを小さい頃から受けてきたのが原因だと思います。この考えは学生の頃の定期テスト対策などの均等な点数配分がなされている試験ならばとても大事な考えです。社会の100点も数学の100点も点数的には同等といえるからです。

しかし行政書士試験に限っては憲法、行政法、民法、商法、一般教養はそれぞれ均等な点数配分がされているわけではありません。なのでこれまで受けてきた試験のように苦手科目を作らないような均等な勉強時間を割く勉強法は短期合格には適していません。短期合格で大事なことは出やすい範囲を集中的に勉強して合格点を取りそのまま逃げ切る戦略が適しています。

つまり行政法と民法を最優先して勉強するべきなのです。休日に5時間勉強すると仮定した場合、複数科目を回す人は憲法、行政法、民法、商法、一般教養をそれぞれ1時間ずつ勉強するのという方法は行政書士試験短期合格には適していません。

まずは行政法&民法:他の科目=4:1くらいの比率の勉強時間を割くべきです。つまり行政法と民法を2時間ずつ勉強して他の科目は合計して1時間の勉強時間を割くべきです。行政法と民法がある程度の実力が付くまでは民法&行政法:他の科目=4:1くらいの比率で勉強し続けると良いです。目安としては行政法と民法の過去問がそれぞれ6〜7割取れるようになるまでこの比率で良いと思います。

またこのような比率で行政法と民法を勉強する理由には配点比率の他にも理由があります。それは民法ができるようになるには時間がかかるからです。民法以外の科目の勉強は条文がそのままだったり民法よりも理解しやすいため勉強した成果が結果として現れるまでそこまで時間を要しません。しかし民法は範囲が広いため勉強したことの成果が出るのに時間がかかります。民法の点数を上げるには必然的に勉強時間より多く必要となります。なのでまずは主要科目にほとんどの時間を割きましょう。

基礎(行政法&民法)が固まれば合格可能性がかなり高まる

行政法と民法というメイン科目の実力がある程度付けば、あとは他の科目で微調整をするだけです。

メイン科目で一定の点数が取れていれば安定した点数を取ることができるようになります。料理で言うならば既にメイン料理(行政法&民法)はできていてあとはサイドメニュー(憲法、商法、一般教養)を軽く付け合わせて完成という段階まで進んでいるのです。

基礎が固まっていることを実感し始めたら憲法→商法→一般教養の順に演習を通じて必要の知識を身に付けていきます。基礎が固まるにつれて同時に他の科目の勉強時間を徐々に増やしていくのです。

またメイン科目を最初にある程度仕上げることにより試験が近づくにつれて過度な不安に陥ることがありません。もちろん受験生ならば試験への不安は付き物ですがメイン科目でそれなりの点数が確保できているという安心感があります。

結局はどうすればいいのか

大体ですが、こんな感じで勉強計画を立てます。あくまで一例なので適宜各自で修正してください。

アガルート の総合講義を全科目聴く

試験範囲を大体理解し、各科目の大雑把な枠組みを理解しましょう。

②並行して①で習った分野の行政法と民法の過去問とアガルート演習問題集を解く(最優先)

問題を解いて何が出題されやすいのか学ぶ。解説を読んでも分からなければ総合講義テキストに戻って確認しましょう。。初めは分からなくて当たり前です。

③基礎が固まったら他の科目の過去問とアガルート演習問題集を解く(徐々に勉強時間の比率を増やす)

メイン科目で得点源を稼げるようになったら他の科目も同様に演習を通じて知識を習得します。

④予想問題

⑤模試

⑥本番で力を出し切る

という勉強計画の流れです。①〜⑥に行くにつれて最初は主要科目(行政法&民法)の勉強時間の比率が大きいですが、最終的には他の科目と均等となるのが理想です。

まとめ

・まずは行政法と民法の勉強を最優先

・自分の位置付けを理解した上で勉強計画を立てよう

・短期合格を目指すならば常に費用対効果の高い勉強を意識しよう

この記事伝えたかったことは優先順位を意識しようということです。確実に合格することを目指すならば全科目しっかり対策すべきですし、本来であればそのような勉強が理想です。しかし学習が進んでおらず勉強できる時間に限界がある人にとっては現実的な戦略とはいえません。

できるだけ自分の勉強したことが点に結び付く範囲をまずは勉強すべきです。とにかく合格点を超えるために配点の高い科目を優先して勉強すべきです。メインとなる行政法&民法を勉強する中で自信がついてきたと思ったときに他の科目に比重をシフトさせれば良いです。勉強の仕方は本当に様々なのであくまでこの記事も参考程度に捉え妄信しすぎないでください。少しでも勉強計画の助けになれば幸いです。